見世と遊女たちのランキング

風俗店にも高級なものから安いところまでランク分けがあるのと同様に、吉原の中の見世にもランクがありました。上級な店は待遇がよく、遊女のレベルも高いです。逆に低級な見世は汚いうえに狭く、遊女も最低ランクです。時代の移り変わりとともに、遊女のランクは変わっていきました。

【はなやかな花魁道中と大夫の絶滅】

吉原の大門をくぐってすぐにあるメインストリートは一番高級な通りです。この両側には「引手茶屋」があり、値段や遊女の取り決めをします。ここで仲介するのは最高級の遊女「大夫」(だいぶ)だけです。茶屋で話がまとまると、指名された大夫が自分の見世から茶屋まで、付き人の遊女を大勢引き連れて客に会いに来ます。これが「花魁道中」(おいらんどうちゅう)と呼ばれるもので、歩く姿ははなやかでお祭り騒ぎになりました。

花魁が到着すると酒席が開かれ、宴が終わると花魁は自分の見世へ客を連れて行きます。「元吉原」の時代には、上客として大名クラスがいたため「大夫」(花魁)は70名ほどいましたが、「新吉原」に移転してからは30名ほどに減ります。1693年には幕府から大名・旗本への吉原禁止令が出たため有力な客が減り、1700年代前半には10名前後に、1752年には1人、1758年には吉原から大夫がいなくなりました。

【見世のランクと遊女のランク】

遊女屋のランクは4段階で、上級店は「大見世」と呼ばれ高級な花魁もいます。中級店は「中見世」、その下が「小見世」で、ここまでが普通の遊女屋。これより下には、「切見世」「銭見世」と呼ばれる低級店がありました。

これらの店の前には格子が張られていたので「張見世」(はりみせ)と総称され、遊女たちが格子の内側に並んで、客に顔を見せています。「大見世」の格子は全面に張られ、中は見づらく客の好奇心を誘うようになっており、中見世は全面が格子ではなく4分の1は開けてあり、中が見やすくなっています。小見世は格子の上半分が空いていて、中がよく見えるようになっていました。ドラマなどで見かけるような、格子の内側から遊女が客に声をかけて誘い込むのは、低級の「切見世」です。

遊女のランクは時代とともに変わりました。吉原初期には上から順に、大夫、格子、三茶、局、切見世の5ランク、吉原後期には大夫がいなくなり中間層が細分化されて、呼出、昼三、付廻、座敷待、部屋待、切見世の6ランクとなっています。

吉原には見世のランク、遊女のランクがありました。最高級店から低級店まであり、客の懐具合に合わせて遊女も選ぶことができました